- 2025年5月22日

ミャンマーの若者が教育とキャリアを選ぶ際、家庭の経済状況が大きく影響します。特にミャンマーのように機会が不平等な国では、社会階層によって教育や仕事の選択肢がどのように異なるかをご説明します。
1.貧困層
貧困層に生まれた子どもにとって、教育とはごく普通の学校に通うことさえ、親が努力しなければならない現実です。ミャンマーでは、塾や予備校に通わずに高校を卒業する生徒はほとんどいません。そのため、親が節約して塾に通わせ、熱心に勉強した子どもだけが高校を卒業できます。勉強についていけない子どもや、経済的な理由で学校を辞めざるを得ない子どもは、高校を卒業することなく学業を中断し、生計を立てるために働かなければなりません。
仕事を選ぶ際には、学歴がないため、賃金の低い過酷な仕事しか見つかりません。高校を卒業した若者も、大学を選ぶ際には自分の興味よりも、仕事が見つかりやすい分野を選ばなければなりません。通信教育で学びながら働く人もいます。ミャンマーの一部の学位は、学位としては存在するものの、その分野で生計を立てることができません。他のコースを受講したり資格を取得したりして仕事を探す必要があります。学位だけでは仕事は見つかりません。したがって、貧困層の若者の教育と仕事の選択は、親の経済状況によって左右されます。
2.中間層
中間層の親は、普通の学校ではなく私立学校に通わせることができるため、子どもの教育は比較的順調に進みます。私立学校は普通の学校よりも教育に力を入れているため、高校を卒業できる可能性が高く、良い大学に入学できる可能性もあります。しかし、仕事を選ぶ際には、良い大学を卒業しただけでは簡単には仕事が見つかりません。研修や資格が不可欠です。親は、いくつかの研修費用を捻出するために努力しなければなりません。しかし、どんな選択をするにしても、常に「費用」を優先して考慮しなければなりません。
仕事の選択肢としては、そこそこの給料の仕事が見つかります。大学の学位を持ち、資格があっても、経験がないために失業している人もいます。ミャンマーのほとんどの企業は、新人を育成せず、経験者や会社の幹部の知り合いだけを採用することがあります。そのため、貧困層よりもわずかに給料の良い仕事しかできない場合もあります。
3.富裕層
富裕層の家庭の子どもにとって、教育に制限は一切ありません。インターナショナルスクールに通うことができ、質の高い研修を受けることができます。興味のある分野やキャリアパスを自由に選ぶ権利があります。
仕事を選ぶ際も、高い地位や高給の仕事を選ぶことができます。たとえ富裕層の家庭出身であっても、教育に興味がなかったとしても、親の経済的な支援を受けて自分のビジネスを始めることも可能です。
まとめ
教育は平等な機会を与えるべきものですが、実際には社会階層によって異なります。貧困層はできるレベルで立ち止まり、中間層は一歩上を目指すことができますが限界があり、富裕層は制限なく選択できます。「教育や仕事においてお金が最も重要なのか? お金がなくても努力すれば成功できるのか?」という問いに対するミャンマーの答えは、「お金が最も重要であり、お金がなくても努力で成功できる人は100人中5人程度しかいない」というものです。これが、ミャンマーの若者が海外に出て働く理由です。
【レポーターTHU】